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2006年6月30日 (金)

梅雨の晴れ間

Photo_16 昨日から今日にかけて30度C近い夏日となりました。家で原稿を書いていても、なんだかいろいろな事が目に入って気も漫ろ。そんな時に私がよく使う手が、<キモノにお着替え>。気分転換というか、自分を上手に騙しているといおうか・・・これが殊のほか効果を発揮。こんな暑い日には、浴衣の出番です。涼しい室内から外の日差しを見ていたら、自然と「梅雨の晴れ間」という小唄を口ずさみたくなりました。

 梅雨の晴れ間の青葉風 

ふるる音(ね)もよき風鈴に 

忍ぶの色も軒ふかく 

「金魚 金魚 目高 金魚」(金魚売りの調子で)

それと心も飛び石に

庭下駄かるく木戸の外

往来(ゆきき)の人も すがすがと

 染めゆかた

今日は630日。1年のちょうど半分が終わり、夏越の祓い日でもあります。こんな梅雨の晴れ間には、藍の浴衣をきりりと着て夕方から植木市へ<吊り忍ぶ>を買いに行きたくなります。

写真の浴衣は、キモノがこよなく好きだった大叔母が仕立ててくれたもの。20年近く経っているのですが、ほとんど袖を通していなかったこともあり、今でも鮮やかな色合いを保っています。背中には汗取りの手拭があててあり、棒衿のなかにはしっかりした衿芯が入っているなど、仕立ての工夫もいっぱい。独鈷柄の半巾帯を矢の字に結んで、朱色の三部紐の帯締めを効かせました。

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2006年6月29日 (木)

お出かけの安心

足袋の汚れは、キモノで出かけるときの気がかりの一つです。込み合っている電車のなかで足をムニュ・・・すれ違いざまの子供の不意打ち攻撃・・・階段でヨロヨロと自滅・・・など。どんなアクシデントがあるかわからない。だからキモノでお出かけの日には、なるべく足袋の交代選手を持ち歩くようにしています。そんな時に便利なのが、京都「ゐど寿屋」の<足袋入>(税込3,465円)です。生地は、わざわざ小物のためだけに正絹の白生地から小紋柄を染め出した着尺染裂を使うこだわりよう。どの色柄を見ても鮮やかなのに奥行きを感じさせます。写真のように足袋を四つ折りにするとピタリと収まる設計。ハンドバッグが小さすぎて入らないときには、帯のお太鼓の中に忍ばせておきます。それほど、お出かけの御供として大切なのです。「ゐど寿屋」のお店は三条通り沿い、イノダコーヒー本店のすぐ近くです。転ばぬ先の<足袋入>、おすすめです。

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2006年6月28日 (水)

蛍星

高尾山口にある「うかい竹亭」を訪れました。山合いの隠れ里として知られるこの料亭の夏の風物詩はほたる狩り。その日の天気や予約状況に応じて、時間はまちまちですが20時過ぎから20分間、全室の電気をおとして庭を眺めるのです。暗闇になれない目をじっと凝らして、しばし息を潜めていると、「チカッ、ホワホワ~」と儚い光が舞い込んでくる・・・。はじめは目の錯覚かと思って、瞼をパチクリ、「蛍はどこ?どこ?」。それを繰り返しているうちに、ある瞬間から蛍の世界が見えてきます。あっちで「チカッ、ホワホワ~」、こっちで「チカッ、ホワホワ~」。淡い黄色金色のような<蛍>という星の光が、闇のなかでが自らの生命の軌跡を描くように舞飛ぶ様子は、なんともいえず幻想的。

蛍は、「火垂(ほたり)」または「火照(ほてり)」の変化だといわれています。一生の大部分を水の中で過ごし、成虫になればわずか一週間ほどの命だとか。日本でよく知られる蛍には源氏蛍、平家蛍、ひめ蛍があります。ちなみに私が「うかい竹亭」を訪れた日には平家蛍を放してくださったそうです。

<もの思へば 沢の蛍も 我身より あくがれ出ずる 魂(たま)かとぞみる>(和泉式部)

「自分の魂が抜け出してさまよっているようだわ」と詠んだ和泉式部と、同じ気持ちになりました。

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2006年6月26日 (月)

雨、あめ、アメ

Photo_14 朝から雨が、しとしと。久しぶりに梅雨らしい1日です。日本は雨が多く、私たち日本人は雨を生活の糧としてきた農耕民族の末裔(まつえい)。だから、雨にはとっても敏感で、季節ごと、降り方の強弱、時間帯、農事と関連するものから人間の感情を反映させたものまで、それぞれに相応しい雨の名前がたくさんあります。

 梅雨とは夏至の前後、6月上旬から七月下旬にかけて降り続く長雨のこと。中国長江流域、朝鮮半島南部、日本のみの現象です。<つゆ>の語源には諸説あって、①梅のみが熟してつぶれる時季だから<つぶれる>を意味する「潰ゆ(ついゆ)」からきている。<梅雨>の字を当てたのは、梅の実が黄熟する頃という説と、<梅>という漢字のつくりにある「毎」から毎日連続して雨が続く意味を込めたとか・・・。②また、中国では黴(かび)が発生しやすい季節であることから<黴雨(ばいう)>という言葉があり、そこに<梅雨>という字を当てたという説も。

 そして「梅雨」と一口にいっても、いろいろな呼び名があります。木々の青葉をなお鮮やかに色濃くしてくれるということから<青梅雨(あおつゆ)>。雷をともなって昼夜を問わず降り続く集中豪雨は<暴れ梅雨(あばれづゆ)>、梅雨がないといわれる北海道で気まぐれに見られる梅雨の現象は<蝦夷梅雨>、ザーッと激しく降ってはサラリとやむことを繰り返すタイプを<男梅雨(おとこづゆ)>、しとしとと長く降り続くタイプは<女梅雨(おんなづゆ)>、雨が少ないのは名前ばかりの梅雨は<空梅雨(からつゆ)>、雷をともなってひときわ強く振る梅雨の最後期を<送り梅雨>、明けたと思ったら戻ってきたように2~3日降る雨は<帰り梅雨、残り梅雨>など。(『雨の名前』小学館より)

 今日の雨は女梅雨かなぁ・・・そんな事を考えて雨と向き合うと、少し気持ちが晴れるものです。

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2006年6月25日 (日)

紫陽花la・la・la

Photo_9  白山神社を訪れました。この時季、境内から隣接する白山公園にかけて約3000株の紫陽花が身頃を迎えます。「文京あじさいまつり」の期間中(6月中旬の1週間ほど)には、境内の富士塚が一般開放されますが、残念ながら先週で終了。それでも、色とりどりの様々な品種の紫陽花に魅了されました。

 梢上に、大型の球状が並んだ紫陽花の花。花弁のように見えるのは実は萼(がく)片で、そのなかにある細かい粒状のものが花なのです。一般的に花の色ははじめ白っぽく、次第に薄青色となり、のちに薄紅色に変わるため、地方では俗に“七変化(ななへんげ)”と呼ぶそうです。(角川書店『俳句歳時記』)夏の季語でもある紫陽花を詠んだ句で、私の好きな句があります。

水鏡してあぢさゐのけふの色 上田五千石

刻々と変わる紫陽花の色をとらえた、素敵な句です。まだ、しばし続く梅雨を、小さな気づきを見つけながら楽しみたいと思います。

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ほんのお気持ちを、ひとつ

Photo_7 “ちょっとした”プレゼントが好きです。久しぶりに会う友人へ、お世話になっている方へ、仕事仲間に、初めて会う人へ。それは、何かのお礼だったり、ご挨拶だったり、常からの感謝の気持ちだったり・・・・・・小さな手土産に込められる意味はいろいろ。私は手土産に、自分なりのルールを持っています。

私なりの手土産3か条は、

その壱.プチ価格であること

その弐.相手に気を使わせないこと

その参.サプライズがあること

 今日は、お世話になっているグラフィック・デザイナー嬢に贈った入浴剤をご紹介。それが、神楽坂「まかない こすめ」で見つけた<桃の葉湯>です。「まかない こすめ」とは、金沢で創業百余年の吉鷹金箔で働く女性たちによって手がけられた化粧品ブランド。金箔作りという肌に過酷な環境で仕事を続ける吉鷹の女性たちが肌を守る必要に迫られ、上質な天然成分と肌への優しさにこだわって、試行錯誤のうえに作られました。そして、嬉しいことに今年(2006年)2月に、我が家から自転車で10分圏内にある神楽坂にアンテナショップをオープン!「まかない こすめ」の全ラインナップが購入できるほか、神楽坂店オリジナル商品やミニサロンスペースまであるのです。

<桃の葉湯>(写真)は、乾燥させて刻んだ桃の葉を袋に詰めたものを2袋セットにした入浴剤。手拭の巾着がほんのりと情緒を漂わせ、それでいて価格は550円(税込み577円)とベリーキュート!桃の葉は、漢方では頭痛や湿疹などに利用されてきました。日本でも古くから浴場料として使われ、夏場の汗疹(あせも)やかぶれ、荒れ性などを緩和するほか、桃の葉の煎液で洗髪をするとフケを予防してくれるそうです。(医歯薬出版『漢方のくすり事典』)。手拭巾着はその時々で柄が違って、それもまた“いと、楽し”。プチ価格ゆえに、まとめ買いをして、緊急手土産アイテムとしても重宝しています。

ぜひ、お店を訪ねてみてください。

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2006年6月23日 (金)

幼爪(おさなづめ)

三味線を習い始めたとき、お稽古場で真っ先に行ったことは爪切り。長く伸ばしていた爪と別れをつげ、マニキュアも禁止。小唄の三味線は爪弾きで、右手人差し指の爪と肉の間の微妙な位置を使います。そのため、マニキュアやトップコートなどでコーティングされているだけでも音が変わるとか。マニキュア絶ちしてから1年半。私の爪は常に深爪で、まるで子供の爪のよう。そんな幼爪(おさなづめ)を少しでも女性らしく見せるために、欠かせないのが爪磨きと甘皮処理。爪やすりで指に沿った丸みを整え、爪の表面を軽くバッフィングしてから「MAVALA」の爪磨きで艶を出します。甘皮の処理は2週間に1度サロンで行い、日頃からクリームをすり込んでササクレができないようにしっかりとケアします。爪が長く、ネイルカラーを塗っていたときにはベースケアをほとんどしていなかったのに・・・素にさらされた爪は生活感が見事に現れるため誤魔化しがききません。

 最近のお気に入りはドライフラワー入りで見た目にも可愛らしい「Blossom」(ブロッソム)のキューティクルオイル。キューティクルオイルとは、爪の甘皮部分(=キューティクル)に栄養を与えるオイルのこと、爪の育成を促し、指先の乾燥やササクレを防ぐためのものです。私が購入したのは、ほんのりと甘い香りに包まれるハニーサックル。このほかにラベンダー、ハイビスカス、ジャスミン、ライラック、スプリングブーケなど、全部で6種類があります。

 そういえば、思い出したことがあります。以前京都の芸妓さんにお会いしたときに、やはり爪を短く切りそろえて何も塗っていなかったことを。また、お年を召した地方さんの小さな爪が妙に艶やかだったことを。女性としての経験を重ね、芸を磨き、お化粧もキモノの着こなしも熟達しているのに、爪だけが生まれたてのピュアな印象。そのコントラストが、かえって色っぽさを漂わせていました。

私の爪も、いつの日かそんなふうに見えるのでしょうか。

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2006年6月21日 (水)

お稽古Bag

今日は赤坂の師匠宅にて小唄のお稽古でした。そこで、最近お気に入りのお稽古Bagをご披露します。

実は常日頃からキモノに合わせるバッグに悩み、コーディネートの最後の詰めでいつもバッグに躓いていた私。というのも、兎に角なんだかんだと持ち物が多い!財布に携帯、化粧ポーチに、文庫本、扇子、デジカメはレギュラーメンバー。さらに、お稽古となると歌詞や楽譜、三味線の撥ケースが加わり、空模様の怪しい時には雨ゴーとや折り畳み傘が追い討ちをかける。以前は、これらをハンドバッグと資料袋とにセパレートして持っていたのですが、いまいちスマートさに欠けてしまいます。といって、仕事用のトートバッグではいささかゴツ過ぎて野暮ったい。

 そこで、見つけたのが写真のネイチャープリントのリネンバッグ。これが不思議とキモノによく似合うのです。その理由は、シルエットだけで表現することで柄行が主張しすぎないことや、ひと色かけたような落ち着いた色使いのためではないでしょうか。2枚仕立てのリネン素材で、軽いのに容量はたっぷり。A4のガイルが余裕で入るサイズなのに、素材の柔らかさのせいかコンパクトに見えます。また、ハンドルに切りっぱなしのレザーを使っていることで、チープな雑貨テイストとは一線を画しています。これからの季節、夏紬はもちろん、浴衣に合わせても鮮やかな挿し色になりそう!そんな賢いバッグと出会えたのはセレクトショップ「レイジースーザン」。同じ柄行のタイプは黒やグレーを基調としたモノトーンタイプもありました。このほかにも、キモノに似合いそうな洗練バッグが目移りするほど並んでいました。しかも、どのタイプもほどほどのお値段です。

今日のコーディネートは生成り地に絣柄の単衣紬に、志万亀の朝顔の染め帯を合わせました。キモノと帯が落ち着いた色合いなので、帯締めに茜色を効かせ、帯留めに蝶のブローチを。お稽古の装いでは、あまりモダンになりすぎず、どこかに女性らしさや可愛らしい要素を表現するように心がけています。というのも、お師匠さんから見て好感のもてる雰囲気に装うことが、教えてくださる方へ敬意を表すということにつながるのではないでしょうか。

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桜肉

浅草にて桜肉を食す。

吉原大門向かいの風情ある大正建築「中江」さんを、まだ明るい夕方に訪れました。かつては、吉原大門の周辺に桜肉店が約20店も軒を連ねていたそうです。というのも「廓を訪れる前に男衆が馬肉で精をつけるため」、はたまた「大門の前で馬を売って廓資金を調達したため」など諸説あり。

限定ものに弱いミーハー魂ゆえ、夏季限定のメニューを攻めまくり。乾杯ビールのお供となったのは、空輸したジュンサイと馬肉の酢の物、馬のタン塩焼き(何故か夏季限定)。続いて馬刺しと馬肉のユッケ、馬刺しの握り・・・と生肉三昧の夕餉でした。握りは、上質な馬肉が手に入った時にだけ食べることが出来る脂身のみの通称“白”というものにありつけました。赤味の握りと脂身の握りが並ぶと、とってもキレイ。コラーゲンたっぷりで体の中からもキレイになれそうな逸品でした。

Photo今日の装いの主役は新調した草履。白地のエナメル台に、裏面とツボ前に藤色を配した白の供鼻緒。白足袋の上に、ほんのり藤色が重なる様子が色っぽい。

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キモノは黒地に白のドット柄御召し、帯は白地に撫子と波を描いた染め帯。帯締めを撫子色で甘めモードに。梅雨の晴れ間の、嬉しいキモノ日和となりました。

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2006年6月19日 (月)

牡丹色の雨傘

ずっと憧れていた傘でした。皇室御用達ブランドとしても知られる「前原光榮商店」の傘です。日本で洋傘の生産体制が確立されたのは明治時代の後期。生地、傘骨、中棒、手元などを各々の職人が製作し、それぞれのパーツを組み立てるという伝統的な分業制を、昭和23年創業の「前原光榮商店」も、今に伝えています。皇室から最初のご用命があったのは昭和40年頃、当時の皇太子ご夫妻が東南アジア旅行に出発される際に、美智子さまがお持ちになるパラソルの手元をお作りしたのが始まりだそうです。

 「前原光榮商店」の傘の美点の1つは、骨の数にあると私は思います。通常の雨傘は8本。ちょっと凝ったデザインものなどでも12本が平均的。それに対して「前原光榮商店」の代表的な傘の骨は16本。細やかな骨格は、洋傘でありながら蛇の目傘のような和の表情を覗かせ、繊細な印象を与えます。ちなみに、蛇の目傘の骨は44本、46本、48本・・・これも職人の手仕事ならでは。私が手に入れた傘は、鮮やかな牡丹色の16本骨。キモノ姿にも美しく映え、雨の日にキモノで出かける楽しみが1つ増えました。そして、この傘の美点として、忘れてはいけないのがエレガントなタッセル。歩くたびにそっと手に触れる心地よさ、手元で優しく揺られる様子は本当に素敵、もちろん傘を畳んだときにもタッセルの存在感がなんだか色っぽい。婦人用の傘にだけ結ばれたタッセルは、舞妓さんの花簪のよう。可憐で、あやうげで、艶っぽい。

梅雨はまだ始まったばかり、牡丹色の傘はこれからが出番です。

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