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2006年11月27日 (月)

床の間寄席

Photo_42 呉服店での落語会が実現しました!

ただ、ご覧の通り高座を作る場所が床の間に・・・。ちょっと体格のよい甚語楼さんが収まると、置物のようになってしまいました。居酒屋やBARなど様々なお店で落語を上演してきた甚語楼さんも、さすがに床の間は初めての経験とのこと。

ここで私は三味線で出囃子を弾かせていただきました。甚語楼さんの出囃子は独楽なのですが、弾けないため、小唄三味線で落語に似合いそうなものを2曲選びました。お部屋が狭かったので爪弾きでチントンシャン。でも、後からわかったことですが落語の出囃子は契機付けなので、もっと賑々しくバチで弾いたほうが良かったそうな。ちょいと、上品に奏ですぎてしまったので「今度はバチで!」と申し上げたら、「次回も弾くんかい!」とつっこまれてしまいました・・・。

この日の演目は<天狗裁き>と<粗忽の釘>。楽しい時間でした。

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2006年11月21日 (火)

小夏日

Photo_40 Photo_41 昨日までの時雨模様とうってかわり、心地よい晴天。日中の気温も17度と暖かい。

陰暦の10月、現在では11月の春を思わせる暖かい日を“小春日和”という。だが、所変わって沖縄では、この時季に日中30度くらいにまで気温が上昇する日を“小夏日和”と呼ぶそうだ。

小夏日の 潮吹き上ぐる 一枚岩(本部弘子)

その土地ならではの季節を映し出す言葉には、説得力のある響きがある。

こんな日は自転車日和。午後の黄色い光の中を風を切って走ると、ひんやり頬を撫でる冷たい空気と温かな陽射しが混じり合って気持ちよい。

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2006年11月19日 (日)

時雨どき

Photo_39 このところ、冷たい雨が続いている。

時雨には、大きな括りで春時雨、夏時雨、秋時雨などという言葉がありますが、単に時雨という場合は、冬の雨のこと。

『雨の名前』によると、時雨とは晩秋から初冬にかけて、晴れていた空がにわかに暗くなり、はらはらと雨脚軽く、降っては止み止んでは降りを繰り替える通り雨とある。また、京都の風物詩としても知られ、京都には北山時雨という言葉もあるほど。また、月明かりの中を雨脚を白くしながら通り過ぎる<月時雨>、山越えしてあちこちに降る<めぐる時雨>、夕方になった降る<夕時雨><宵の時雨>、夜にふる<小夜時雨>、厳冬にけな気な赤い花を咲かせる山茶花に降りかかる<山茶花時雨>などなど、キレイな名前がいっぱい。

しんみりとした雨の日には、こうして美しい雨の名前に思いを馳せるうちに、夜は暮れてゆきます。

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2006年11月16日 (木)

落語会

Photo_38池袋演芸場にて柳家甚誤楼さんと打ち合わせ。

友人Aである呉服店さんが店舗を移転するにあたり、寄席を企画。そこで、友人Bのご主人様である甚誤楼さんに出演していただくことに。

落語会の準備にあたって意外だったのは、高い舞台をつくらなければいけないこと。落語では舞台に出ることを「高座にあがる」と表現しますが、読んで字のごとく、高い場所に座ることが第一条件。というのも、噺がメインな落語ですが手拭やお扇子を使った仕草を膝元ですることが多いため、目線に落語家の膝がくるぐらいがベストとか。前に座ると見上げることになるため、お客様のストレスでは?と聞いたところ、所作が見えないほうがよっぽどストレスになるそうです。

日時は11月26日(日)16:00から、東十条のkimono生活にて。1000円の木戸銭で落語2席とお抹茶付き。実は私も三味線で参加。おこがましくも、出囃子を弾かせていただきます。ぜひぜひご都合のつく方はお出ましくださいませ。

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2006年11月14日 (火)

“ファースト”帯

1114 11月から1月まで活躍する椿柄の帯。

これは、私が10年前に初めて自分のお財布を開いて誂えた名古屋帯。着付け教室の先輩に連れて行っていただいた浅草橋の問屋で購入したものなので上等な品物ではありませんが、冬のお気に入りの1本です。確か12月に初めてキモノで歌舞伎を見に行くために選んだものです。まず、帯で紺地というのが珍しい。染め帯はまだしも、織り帯で紺地はなかなか出会いません(黒やチャコールグレーはよくありますが)。一見地味に見える椿の花も、モダンに意匠化された感じが竹久夢路テイスト。今思い返すと、この帯を購入するときに、問屋の担当のおばちゃんはもっと無難なピンク色の古典柄の帯を仕切りに勧めてくれました。が、結局は第一印象で目にとまった椿の帯を選びました。おばちゃんとしては“季節がはっきりしている具象柄の帯は、締める時季が限られるから”という優しさのつもりだったのでしょうが・・・私の思い入れも頑固でした。毎年、この帯を締める頃になると冬の訪れを感じます。

今日は、○△□柄の小紋に椿の帯でお茶のお稽古へ行きました。

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2006年11月13日 (月)

椿、始まる

Photo_36 11月になると椿モチーフのものが解禁となる。先日、お茶のお稽古に行ったときには床の間に西王母と照葉が佇んでいました。西王母は、1番咲きの椿。その名は中国の古代神話に出てくる仙女に由来しています。彼女は不老長寿の桃園を持ち、その桃の実を食べれば三千年生きられるといわれています(西遊記で孫悟空が食べた、桃の実です)。そこで、初々しい桃色の花を咲かせる早咲きの椿を、この桃の実にあやかって西王母と呼ぶようになったのがそもそも。金沢に江戸時代から伝わる名花で、早ければ9月から咲き出し翌年3月まで花が続くため、茶花として重宝されています。Photo_37 花は一重の抱え咲きのため、上品な姿を保ち続けるそうです。

西王母 織部に生けし 口切の儀 (たか子)

椿柄のハガキに季節の言葉をしたためてるのが、この頃の日課です。

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2006年11月12日 (日)

日向ぼっこ

Photo_31 土曜の夜、家に戻ると子どもが居た。

友人の愛息子で今年7歳になるジョー君が、大きなTシャツを着て宿泊費200円を握り締めて、ちょこんと居たのだ。その日ジョー君は何故か1人で我が家にお泊りした。夜1時過ぎまで布団の中で話をしていたが、先に寝ついたのは私。朝はジョー君1人が7時から起きてテレビをつけ、お目当ての番組が見終わった7時半に私を起こしにきた。その後、駅前の日曜市に行き、家に帰ると工作。朝ご飯を食べたあとは、公園にお散歩と大忙しだった。

公園に入ると、ジョー君はどんぐりに一直線。子どもの目線は面白い。大人には見えないものに突然とびつく。木々の紅葉には敏感になっていた私も、落ちているどんぐりには気づかなかった。それから、のんびり日向ぼっこ。<日向ぼっこ>は<日向ほこり>が変化したとか。この<ほこり>とは、“ほくほくとあたたかい”という意味らしい。現代の“ほっこり”と同じ感覚なのでしょう。陽射しの弱まりを感じる今の時季、貴重な太陽の光を身体に集めるようにゆっくりと日向ぼっこする時間は、小さな幸せ。いつもは、家の中でのらりくらりしている午前中が、ジョー君のおかげで心穏やかなひとときに変わりました。

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2006年11月10日 (金)

お茶目線

Photo_34 Photo_35 茶道をはじめて変わったことの一つが目線の高さ。例えば障子をあけるとき、茶道をはじめる前は左→茶道はじめた後は右。目線の高さが低くなったのがおわかりいただけるだろうか?押入れの襖をあけるとき、障子をあけるときに可能な限りちゃんと膝をついて所作をする。この一呼吸が、生活のなかに入り込んだ。今までは、下に落ちているものを拾うときや玄関の靴を揃えたりするのも、中腰で行っていた。動作が中途半端だと、面倒くささが倍増する。面倒なようでも、“ちゃんと”座る、膝をつく、指をそろえる・・・こうした一呼吸が、実は気持ちのゆとりをもたらす。ということに最近気づき始めた。もう一つ気づいたこと、この座るという行為、気づかぬうちにスクワットの効果あり。よしよし。

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2006年11月 7日 (火)

炭のご馳走

Photo_30 11月はお茶の口切と炉開きを行う、茶道にとってのお正月。

炉の季節になって初めてのお稽古に行ってきました。夜の部のお稽古は本来19時からなのですが、習い始めの私は他の方より1時間早く行って割り稽古をつけていただいています。誰もいないお茶室に入って先生をお待ちしている数分間は、床の間のしつらいやお道具を拝見しながら、ゆっくりと自分と向き合える贅沢な時間。

姉弟子たちがやってきてお手前が始まると、チリチリと燃える炭の音なき音が、なんとも心地よく耳に響きました。先生はそれを「炭のご馳走」と表現されました。なるほど。この音や微かな炭の香りや毛氈の温もり、風炉の時期とは違うおもてなしのスタイル。

今日は無謀にもお茶を一服だけ立てさせていただきました。亭主の席の、なんと気持ちよいこと!狭いお茶室なのに、お客様の席と座る位置が変わっただけで、これほど見える風景が違うとは。人のためにお茶を立ててさしあげる、悦びの席。お作法はさておき、先生に「あら、似合うわね」と言われたことに舞い上がる次第。立冬を迎え、ピンと張りつめた空気の夜道を、ほくほく気分で帰りました。

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2006年11月 4日 (土)

生まれ変わる

114_1 出来上がりを待っていた帯がある。

昨日、悉皆屋さんが届けてくださったので、早速小唄のお稽古へ締めて出かける。

綸子地に菊と流水を描いた華やかな染め帯は、もとは羽織だった。年配の方からのいただき物だったため、裄も着丈も短く、何度か羽織ったあとは、しばらくの間箪笥の中に眠っていた。柄行は気に入っているのだが、自分のサイズに合わないため、自然と袖を通すことから遠のいてしまっていたのだ。

羽織はこれ一枚しかないので、ハサミを入れるのは迷ったけれど、地味キモノが多い自分のワードローブを見て、帯にしようと決心。洗い張りをしてから帯に仕立てたので、生地そのものにも清新さが感じられ、古い羽織はすっかりお気に入りの帯へと生まれ変わった。こんな再利用ができることが、キモノの喜びの一つです。

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2006年11月 3日 (金)

落ち葉の栞

Photo_27 Photo_28 近所の公園の木々が色づきはじめた。朽葉色、黄朽葉色、青朽葉色、橙色、赤朽葉色、蘇芳色、樺茶色、栗色・・・。ぴったりの色名を探すのが楽しくなるほど、グラデーションが美しい。

たんさんの木の落し物のなかから、色艶のいい一葉を選んで栞にしてみた。文字を追う目も軽やかに、心が小躍りする小さな秋の楽しみです。

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2006年11月 1日 (水)

ピンク

Photo_25 Photo_26 実家から食用菊が届く。菊の味は苦手だからお皿に水をはって浮かべてみる。素敵・・・。その数日後、彼の実家からユリが届く。とってもいい香り。並べてみたら窓辺がピンクに染まった。なんだか優しい気持ちにふうわり包まれた。

偉大なる報道写真家ロバート・キャパは、イギリス人の恋人を<ピンキィ>と呼んでいた。彼の自伝によると彼女の髪はとても珍しい色のブロンドで、本当にピンクだったらしい。カメラ一つ携えて激戦地を飛び回っていたキャパの写真から、<ピンキィ>さんを想像すると、モノクロ写真の美しい女性で、髪だけがピンク・ブロンズの女性が目に浮かぶ。

ピンクは、女性を幸せにする。女性ホルモンも沢山出してくれる。ピンクのものを見たり持ったりすると、なんだか自分自身が素直になれるような気がする。洋服ではなかなか着ることがないが、キモノや帯ではピンクの出番率が高い。そういえば、小唄の師匠は帯揚げは必ずピンクと決めている。赤坂芸者の伝統なのだそうだが、弟子である私たちも師匠の前では必須。帯揚げはメイクでいうとチークのような役割。優しいピンク色は、何歳になっても女性の顔にほんのりと赤味をさし、顔映りを明るく見せてくれる。年齢によって、季節によってピタリとくるピンクを探して、自分の身の回りにしのばせておきたい。

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