手しおにかける
改めて感じたのは、食の大切さ。食べるものは命を育んでいるのだと実感した。頭ではわかっていたことも、自分が窮地に立たされて初めて骨身にしみることがある。ふと、思い出して<いのちのスープ>で知られる辰巳芳子さんの著書を手繰ってみた。そのなかで、「手しおにかける」という言葉に目が留まった。
「明け暮れつくり、そして食べなければならぬ家庭料理は栄養、経済、美味、衛生が絶対必要です。それは細心の注意と、弛まない努力と、深い愛情の積重ねを日々の生活に、忠実に行う以外にはないものと思います。-手しおにかける-とは、心を手足に添わせ、自己を励ましつつ生きる人の姿を、日本の暮しのうちに、ありありと重ねて表現した、地に足のついた言葉だと思います。」(『手しおにかけた私の料理』婦人之友社)
このところ、家で療養をしているとご飯のことばかり考えている。病院での食事時間に倣って、朝食8:00、昼食12:00、夕食18:00~19:00頃を続けていると、食事を作るのに明け暮れるという表現がピッタリだ。
忙しく仕事ばかりに励んできた自分の体と、きちんと対話をするよいきっかけとなった。
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