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2012年4月30日 (月)

土からもらうエネルギー

Imgp4292 昨日の締め切りで大きな山場を乗り越えたら、久しぶりにのんびり目覚めた朝となった。カフェオレをテイクアウトして、開門直後の小石川植物園へ。八重山吹、イロハモミジ、早咲きの藤などを眼福にあずかりながら進むと、珍しいハンカチノキも、ちょうど開花時期を迎えていた。園内は整えられた道はわずかで、自然のままに生い茂る草や落ち葉を感じながら歩くことが出来る。消耗しきった体が足元からぐんぐんエネルギーを吸収して、すっかりパワーをチャージできた。

Imgp4291 こちらがハンカチの花。そういえば、子どもの頃に「ハンカチ落とし」という遊びがあった。好きな男の子に追いかけられたくて、その子のもとに、よくハンカチを落としていたことを思い出した。

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2012年4月29日 (日)

ご褒美は・・・

Imgp4288 深夜にまで及んだ昨日の撮影。小道具で使った様々な白い花を抱えるように帰宅した。水切りをして顔立ちに似合う花器に活けて行く。可憐な鈴蘭はバカラのベルーガに。以前バカラのオフィスの入り口を飾っていた、「朝からバカラ」という広告ポスターが忘れられず、心に留まったイメージを真似てみる。疲れが吹き飛ぶほど、愛らしい。

昨日ご一緒していたスタイリストさんは同い年のインテリア専門の方。雑誌に留まらずコマーシャルのお仕事も多く手掛けている。カメラマンがせっせと撮影している間に、待機隊は雑談タイムとなる。好きな器ギャラリーやよく足を運ぶ花屋、インテリア雑貨、美味しかったアイスクリームから塩麹レシピ、実は髪を切ってもらっているスタイリストさんが同じ人だったなど・・・話題は、女子特有の広がりをみせる。最近手掛けた仕事について話すうちに、コマーシャル業界のビジュアルの創り方へと内容が堀下がる。映画やドラマを創造するように、監督の指揮によって専門の職人やスタッフ、クリエイターが、各々のパートの完成度を高め、それがオーケストラとしてまとまって、一つの作品になるようだ。「自分のピースは小さいけれど、出来上がった作品の大きさはムービーならではよね」とつぶやく彼女。聞けば、ソフィア・コッポラ監督の<ロスト・イン・トランスレーション>にも参加したという。

私自身の仕事において、ビジュアルの指揮をとってページを仕上げていく役割を担うようになったこの数年、面白さと同時に、どこか過去の成功例に乗じている感があった。間違いない路線は、安全だけど、それだけではやっぱりつまらない。どうしたらいいのか、という答えはまだわからない。昨日のハードワークのご褒美は、鈴蘭ではなく、彼女のつぶやきかもしれない。

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2012年4月28日 (土)

食卓の先取り

Imgp4286 心躍る麗らかなGWの始まり・・・とは世間の方のお話で。2日まではしっかりお仕事の私。今日は一日スタジオにお篭りとなる。こんな天気のよい日はロケなら気持ちいいのに。

気合の朝ご飯。お味噌汁は、豆腐に冥加にオクラ。サラダは、豆苗に大葉にクルミ。鮮やかな夏野菜が少しずつメニューに加わり、少し気持ちが軽やかになる。

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2012年4月27日 (金)

乙女な手土産

Imgp4186 Imgp4187 強面だが、アニキのような熱いハートを持つカメラマンN氏。女性誌でひっぱりだこの理由は、こんな心遣いにもあるのかもしれない。撮影時に差し入れてくれたのは、顔に似合わないメルヘンなクッキー。青山のアンデルセンというパン屋で人気の品らしい。商品名は「童話クッキー みにくいあひるのこ」(2415円)。白鳥のクッキーに寄り添うみにくいアヒルの子のクッキーは胚芽入り。水辺の草花や兄弟アヒルたちを表現したかわいいクッキーの下には、バニラ、ココナッツ、チョコ、ジンジャー、レーズンなど、多彩な味わいの9種類のクッキーがぎっしり詰まっている。レトロな北欧テイストのパッケージも美顔で、かなりツボである。私も乙女な手土産として愛用させてもらおっと。

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2012年4月26日 (木)

朝の“しっかり”

Imgp4285_2 石岡瑛子の本にどっぷりハマった。編集稽古の創文のために選んだ本なので、何度も何度も深く読み込む。あとがきに、彼女の創造にとって最も大切なものは「朝ご飯である」と書かれていたのを読んでから、この一週間ほど、パン食派から和食三昧に。昼と夜がどうしも不規則になるので、始めてみるとなかなかよい習慣かもしれない。だが、いかんせん、今週は慌しくて仕事のスイッチを消しているときはボンヤリが突出する。その結果、朝から火傷である。茄子の水気をちゃんと切らないままフライパンに入れたら、思い切り油の洗礼を受けた。一人吉本新喜劇に、夫も呆れ顔である。

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2012年4月25日 (水)

所作の理由

120424_094302 Imgp4283 新しく生まれたポショポショの緑が、なんとも可愛らしい。季節が巡るたびに蘇生する木々に励まされてか、寝不足の体に鞭打ってきものでお茶の稽古へ。枝垂桜にも藤にも柳にも見える都合のよい染め帯は、4月5月だけしか締められない季節の栞。

来月からは風炉の季節となるため、最後の炉のお稽古。先生も気合が入ってか、様々な炉の切り方を想定した八炉の稽古だった。火が近いせいもあって、ふ~わり・・・いい気分になり途中幾度となく舟をこぐ。薄茶に濃茶、たっぷりとカフェインを摂取したにもかかわらず、たまらなく眠い。春眠は暁だけでなく、稽古とのたたかいも迫られる。

八炉の稽古は亭主と客がかなり近い。間近で同胞の点前を見ていて、ふと気付いた。お茶の所作はすべて客への心配りに基づいている。炉の位置がかわって、道具の位置や手の動きがかわることに、最初は混乱していたが、「客からどうみえるか」「どうしたら美しく見えるか」ということを考えると、自ずと右手と左手に指令が出せる。夢心地ながらも、そんな実りのある時間だった。

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2012年4月23日 (月)

白のカップ&ソーサー

Imgp4278 週末に<大倉陶園>から憧れのモーニングカップ&ソーサーが届いた。様々な媒体でレコメンドしておきながら実際に使ったことがなく、PRの方のご配慮でお贈りいただいた。包みをほどいたら、イニシャル入り。かなりテンションがあがる。さっそく朝の珈琲で試してみると、口当たりのよさに驚く。薄手で硬く焼き締めてある磁器にもかかわらず、ふわっとフィットする。飲み口の部分に施したわずかなアングルのためか、金縁の滑らかさのためか、この柔らかさはなんだろう。クラシカルなホテルでの朝食を思わせる、優雅なビジュアルも大きな魅力。慌しい朝のひとときに、静かな豊かさを運んでくれるようだ。

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新たな仲間が加わって、我が家のカップ類を見直してみたら、いろんなテイストの白がある。アングルのない筒型に小さな持ち手+少し大きめなスクエアソーサーというモダンなバランスが絶妙な器は、フランスの老舗業務用磁器ブランドの<APLOCO>のもの。チョコレートや黒豆さんなど、珈琲の友があるときには、この器で。

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続いてはマグ。原稿を書くときに、たっぷり珈琲を注ぐときには、<ウェッジウッド>の「インタグリオ」コレクションのマグを。幾何学的な大きめの持ち手がハンサムである。





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最愛のマグはこちら。そうは見えないけど、4つの中で一番お高いのがこの子。できることなら、全ラインナップで暮らしたいほど大好きな<アスティエ・ド・ヴィラット>。仕事を忘れ、ちょっと薄めの珈琲を入れソファーでコージーにくつろぐときに迷わず選ぶ。とっても繊細な磁器で、真冬に熱々の珈琲を注いだら内側にパキパキッとヒビが入ってしまった・・・。以来、ぬるま湯で温めてご機嫌を伺いながら使わざるをえなくなった。そんな手のかかるところも憎めないほど、LOVEなマグである。

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2012年4月16日 (月)

今読んでいる本

41s6p929xpl__sl500_aa300_ 私には60代の女友達が多い。知り合ったのは私が20代、彼女たちが40代の頃だったが、一緒に年を重ねたら、私は40代、彼女たちは60代を迎えた。リスペクトしながらも、ちょっぴりカラカウこともできる、心地よい関係。素敵な60代に囲まれていると、エイジングが怖くない。肉体的な問題は少々棚上げしたとしても、皆、気持ちは新しいことをグングンと吸収するスポンジ体質で、お洒落が大好きというのが60代エンジェルズの共通点だ。

その中の一人が、石岡瑛子さんの『I DESIGN』をレコメンド。B6版変形の約500頁という分厚い本だが、書店で即買い。持ち歩くには重いけれども、電車で目的の駅を乗り過ごすほど石岡ワールドにどっぷりはまっている。編集稽古の課題本(小学生の読書感想文的なことを書く稽古がある)である『現代アート入門の入門』(山口裕美)も読了しないうちに、すぐに美味しそうなものを見つけると摘み食いしたくなる・・・悪いくせだ。

また別の60代は、『モノからモノが生まれる』(ブルーノ・ムナーリ)をすすめてくれた。気になる。稽古の師範代は、『モードの迷宮』(鷲田清一)や『みっともない人体』(バーナード・ルドフスキー)を、レコメンド。これまた気になる。・・・・・・まとまりのないBOOK MAPに我ながら呆れる。

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2012年4月15日 (日)

足元から春

111021_123101 朝の散歩で見つけたクローバー。桜を見送ったあとの、微笑ましい春の便りである。

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2012年4月12日 (木)

雑誌サイズのブックマーカー

Imgp4194 10年来の建築家の友人へ、インタビューのお願いで久しぶりに会う。といっても仕事ではなく、ISIS編集学校のインタビュー編集のレポートでの、モルモットになってもらうという、いささか恐縮なお願いだった。眼鏡&本好きの人なので、お礼に以前デルフォニックスで見つけたセルロイド製の眼鏡型BOOKマーカーをプチプレしようと丸の内へ。ところが、お目当ては品切れ。代替品を探し歩いていたら、ユナイテッドアローズにて、不思議なBOOKマーカーを発見。合皮素材で、大味なフリンジが愛嬌がある。オリエンタルな箔押しも、キッチュなスーブニール風で、心惹かれる。しかし、いかんせんサイズが大きい。23×4cmなので、単行本でさえもはみ出てしまう。迷いながらも、プロダクトとしては面白みがある。あれこれ考えて建築家ゆえに資料となる洋書は大判のものが多いのでかえって便利かもしれない・・・と自分勝手な理屈をこねて計4色をお買い上げ。2色を当人に選んでもらった。だって315円なんだもの。このプチプライスで、こんなに唸ったのは久しぶりだ。

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2012年4月11日 (水)

夜桜きもの

Imgp4193_2 昨晩のお茶のお稽古へは久しぶりにきもので行くことができた。枝垂れ桜の小紋に、帯の金を月に見立てた装いで。バタバタと駆け足で向かいながらも、一服のお茶で呼吸が整う。炉の季節も今月限りと思うと、しみじみとする。

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2012年4月 9日 (月)

ゴボウ茶

Imgp4191 ISIS編集学校の「破」のクラスが開講し、猛烈に早朝稽古をしていたら、知恵熱が出そうなほどぐったりしてきた。まだ、1週間なのに、「守」より格段に求められることが高く、ちょっと息切れぎみ。なんとか元気になろうと、ゴボウ茶を作ってみた。ピーラーで削って、半日以上干し、フライパンで炒れば、香ばしくてポリフェノールたっぷりのお茶となる。猪突にお茶作りに熱中したら、これまたグッタリ。私には、ペース配分という学習能力が欠けているようだ。

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2012年4月 7日 (土)

木製パズル

Imgp4185 先日、撮影の帰りに代官山のトムスサンドイッチでランチをした。車に戻ろうとしたら、お隣にある老舗のクリスマスアイテム専門店のウインドウが何気なく目に入った。ポップでモダンなイースターの卵がたくさん並んでいて、気持ちが小躍りした。私よりも先に「ちょっと入りたい」と言ったのは、眼光鋭き強面のカメラマン氏。喜んでお供をしたら、マッチ箱サイズの木製パズルを見つけた。<カバサワ>という名前の因果か、GOODデザインのカバを見つけると放ってはおけなくなる。私は、こちら1点630円をお買い上げ。カメラマン氏はイースターのたまごが入った大きな袋を抱えていた・・・どんだけ買ったのだろう・・・。

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2012年4月 6日 (金)

中野悟朗さんの器

Imgp4184 中野さんの器にはフルーツがよく似合う。先日撮影でひと房4000円というマスカットが登場した。自分では決して買わないため、卑しくも頂いて帰ってきた。器より中味のほうが高いかも・・・。

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2012年4月 4日 (水)

マリアカラスと桜の小径

Mini_120404_0910 昨晩書いた原稿を推敲しようとカフェへ向かう途中、小石川植物園の前を通りかかったら、ちょうど9時の開門直後だった。とうことで予定を変更し、導かれるように中へ。

桜の時期は毎年必ず2~3回は訪れる桜の小径。まだ3分咲きほどだが、この小径は本当に美しい。聞いていたマドンナの曲を、マリアカラスに切り替えたら、目の前の光景にぴったり。小石川植物園の桜は苔を纏った古木が多い。長い時間を重ねて味わいを増した枝から、淡いピンク色の花がこぼれ咲いている様子は、凛々しくも健気である。<老いてもなお、可憐に咲く>・・・・・・そんな言葉がふわりと浮かんだ。30分ほどブラブラして出口に向かった頃、ちょうど熟年層の団体さんが入ってきた。

音楽を再びマドンナに戻して、カフェには立ち寄らず家路についた。

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2012年4月 1日 (日)

本物だ・・・

Kourinhakurakutenl_500 江戸千家不白会の茶会が護国寺であった。

今日は早朝から原稿書き→お茶会(2席で切り上げる)→原稿→結婚式という、なんだか予定が混在した一日で、気が重かった。

だが、憂鬱な気持ちを一掃し、かなりテンションをあげてくれたのが一席目に入ったお茶席の道具組みであった。床の間のお軸のかわりに、尾形光琳の白楽天図屏風が飾られることで話題になっていた席である。

屏風は、古典的な画法で描かれているのに、現代にも通じるグラフィクアートのような構図だと感じた。意匠化された大小リズミカルな青海波で表現された荒れ狂う海と、左上の山の静けさ。今にも転覆しそうな角度の右の船と、安定した左の船。それらの強弱が大胆で巧緻だ。

その傑作を、美術館の硝子越しではなく、自然光の部屋にしつらえられた迫力は、これまで経験したことのない空間だった。高橋平山堂さんというお道具商の席だったため、お棚も、会具も茶碗も、茶杓も、花入れも、菓子器でさえも・・・と書ききれないほど。すべてのバランスが<出すぎず、それでいて抑えすぎず>、端正でありながら屏風に合わせて香合に桧扇貝を用いるなど、ほどよい遊びもあり、なんだかキレのあるお席だった。これほどまでに“格好いい”と感じたのは、ここ最近の記憶にないほどだ。

高橋平山堂さん、機会があれば伺ってみたい。

Imgp4182 今日の装いは、柳色の蛍絞りのきものに、鏡柄の帯。一門の茶会ということもあって少し軽めの装いにしてみた・・・というのは言い訳で、原稿を書いていて気付いたら時間がなく、付け帯で出かけられるコーディネートに変更したまでだ。

護国寺では山門に向かうまでの道のりに、彼岸桜であろうか、少し濃いピンクの桜が咲き誇っていた。

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