慈しみの芸術
小笠原諸島においてアホウドリの保護活動を行っている鳥類研究チームの番組をテレビで見た。その鳥の名前は知っていたが、どんな風貌や習性を持つかを全く知らず、“律儀な”生き様が妙に気に入った。驚いたのは、一度の産卵で卵を1つしか産めないということ。交尾のタイミングが合わないと卵を産み落としても受精していないことがあるという。雄と雌が代わる代わる卵をあたためる映像の中で、巣の構造に目がとまった。アホウドリは地面に巣を作る。だから竪穴式住居のような安定感がある。外側は雨水が入らないように土台くちばしで固め、内側はふっくらと卵を優しくホールドする温かな空間になっている(ようみ見えた)。
翌日、『ナショナル ジオグラフィック日本版』のグラビアにいろいろな巣のコレクションが掲載されているのを見つけた。樹皮や松葉、貝殻を利用した個性派から、人工的なブルーのリボンを絡めたモダンアートのようなもの、枝の骨組みに白い羽根が柔らかなベッドのように敷かれたものまで・・・・・・素材や形は様々。産まれてくる雛への慈しみに満ちてた命のポケット・・・美しいなぁ。
時々訪れる六本木の「ギャラリーSU」。店名の「SU」は「巣」を意味するとか。オーナーの山内さんも巣に萌えるそうだ。命の連鎖を生む場所だからなのだろうか・・・。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント