台湾のギャラリー「Projet Fulfill 」を訪れる。
たまたまやっていたエキジビジョンが日本人アーティスト毛利悠子さんの作品。


作品とは、日用品を用いた不思議な音の装置。
その着想源は、日本の地下鉄などでよく見かける水漏れの応急処置。そんなネガティブなファクターを、楽器というポジティブな音に変えるという発想は、なんと心豊かなのだろうか。しかもドラムは「ツッタータ、ツッター」と小粋なリズムを刻むように水が送られているようだ。
ふと、昔見たテレビ番組を思い出した。大竹しのぶさんの幼少期、家に雨漏りがすると母親が「今夜は演奏会ね」と言って、盥やらお椀を持ち出しその状況を笑い飛ばしたというエピソードだ。陰陽が溶け合った大竹さんの魅力は、そんなお母様の気質を受け継いでいるのだろうかと思えた。
現代アートには、ネガティブをポジティブに変える不思議な魔法の力があると思った。